WealthNavi を使ってみたけれど、全然自動じゃなかった件。

リーマンショックが起きたとき、私はモニターの前にいた。
ちょうど FX の画面を開いていたので、突然ジェットコースターみたいな勢いで落ちていくドル円相場にショートで付いて行くことができた。一瞬にして 7桁超の利益が出た半面、別口座で持っていた資産では損が出た。無くなっても良いという範囲のお金でやっていただけだから大勢に影響はなかったけれど、結局自分で稼いだ方が儲かるということに気が付いて、それ以来投資は辞めた。(その頃、家族の預かり口座で日経平均が6900円の株を700万円ほど買っておいた。きっと今頃三倍以上になってるよなー、と思っていたら勝手に売っていたことが判明してガッカリ)

そもそも資産運用とは、億単位の資産を持っている人が金利で生活する為にあるものだ。若しくは働けなくなった老人が盆栽をする道楽的なイメージ。それ以外の人間がやっても大した益にはならないし、どちらかというとギャンブル的な要素しか感じられない。

いまは株主優待目当てで持っている株があるのと、ドルとユーロと豪ドルに三分割した外貨を少し持っている程度。10年ぶりにマネックス証券の口座にログインしてみたら、株は当時の 3倍になっていたけれど、これは単なる塩付けに過ぎないし、外貨の方もユーロが下がってドルと豪ドルが上がってバランスしているから動かしようがない。

時が流れて AI 元年と言われた 2018年。ソニー銀行の口座を開いたら、巷で話題の WealthNavi の案内が出てきた。「全自動で世界レベルの資産運用」「ロボアドバイザー」とか、全部自動でやってくれそうな文言な並ぶ。そういえば FX を辞めた頃、AI やロボットによる自動投資は少しづつ使い物になってきたという話をよく聞いたっけ。あれから10年も経ったし、相当進化したのだろうな。試しに 50万円ほど入金して暫く放置。すると一カ月も経たないうちに 16,000円も増えていた。

そして先日 10月10日のアメリカ株式市場の大暴落をきっかけに起きた世界同時株安。WealthNavi の画面を開くとちゃんと連動して損が出ていた
さて、ロボアドバイザーくん。ロボットならここからが腕の見せ所だ。相場が動いた時こそどう動くのかが肝心だよ? と、思ったら「CEO柴山和久より「WealthNavi」をご利用の皆さまへ」というタイトルのメールが届いた。折角なので全文掲載する。でもくだらない内容なので流し読み程度で結構です。

こんにちは。ウェルスナビCEOの柴山です。
今週後半、世界的に株価が下落しました。例えば、経済ニュースでも取り上げられることの多いNYダウは、水曜日・木曜日の2日間で約5.2%下落しました。
WealthNaviで「長期・積立・分散」の資産運用を行っている皆さまの中には、今週の下落を見て不安を感じている方もいらっしゃるかと思います。
今週の株価下落の背景は、「アメリカで長期金利が上昇したこと」や「米中の貿易摩擦が企業の業績に悪影響を与えるのではないかという懸念の広がり」だと言われています。では、こうした株価の急な下落を、私たちはどう受け止めるべきなのでしょうか。
ウェルスナビでは、株価の短期的な変動に一喜一憂せず、あくまでも「長期・積立・分散」による資産運用を冷静に、淡々と続けていくべきだと考えています。
「長期・積立・分散」の資産運用は、世界経済全体に分散して投資し、中長期的に世界経済の成長率を上回るリターンを目指します。
コインの裏表の関係にあるのが、リターンとリスクです。金融危機や、今回のような世界的な株価下落の局面では、資産価値も減少するリスクがあります。しかし、リスクを取っているからこそ、中長期的には世界経済の成長率をさらに上回るリターンを目指すことができるのです。
今年の2月にも、それまで上昇を続けてきた米国の株価が大幅に下落したことがありました。過去25年間を振り返っても、リーマン・ショックやアジア通貨危機など、今年2月や今週の下落を上回るような、世界的な経済危機や金融危機が発生しています。
今後、20年、30年と長期投資をしていく上では、経済危機や金融危機を何度も経験することを覚悟する必要があります。しかし、相場がよいときも悪いときも一喜一憂せず、淡々と資産運用を続けていくことをおすすめします。
皆さまのご期待に応え、「長期・積立・分散」の資産運用をサポートできるよう、これからも努力してまいります。
どうぞ、よい週末をお過ごしください。
ウェルスナビCEO・柴山和久

見て分かる通り、これは単なる資金流出を阻止する目的で送信された引き留めのメールである。ガッカリだ。このメールが届いた瞬間に全額を引き出したのは言うまでもない。こうゆう局面では、即座で損切りしてショートで下げに乗るのがロボットというものじゃないのか?

そしてこの引き留めメールが来てから、ウェルスナビのホームページをよく見てみた(そもそも始めるときには大して内容を理解していなかった)。すると大変なことが分かった(笑。ウェルスナビは、ユーザーの志向に従って、「分散投資の比率を考えてくれるだけ」なのだ。

資産クラス 評価額 損益
米国株(VTI) ¥145,286 5,900
日欧株(VEA) ¥108,820 7,820
新興国株(VWO) ¥28,409 2,305
米国債券(AGG) ¥138,053 1,609
金(GLD) ¥35,349 206
不動産(IYR) ¥24,064 1,220
現金 ¥2,139

資産評価額 ¥482,120 損益 -¥17,880 (-3.58%)

「分散していろいろ買っとくから、あとは 10年単位でゆっくり待っててね。相場が下がっても、やがて上がり始めさえすれば儲かる筈だから、うろたえちゃダメだよ」

ホームページには過去 25年で 146%のリターン!一年あたりのリターン年率 6%!と誇らしげだが、もちろんその下には「実績は過去のものであり将来の運用成果等を保証するものではありません」と小さな字で書いてある。過去のチャートの一番おいしい所を切り取って出した数字のズルさったら無い。「長期投資は儲かりそう」という業界が作り出した幻想をに乗っかって商売しているだけだ。これでは投資信託と何ら変わらない。というか、ポートフォリオくらい自分で作れるわ!という感じ。

私が相場を憶えたのは FX が大流行した時なので、上がっているときには買い、下がっているときには売る、という当たり前の手法がカラダに染み付いている。株でも空売りが出来るので、下げ局面でも儲けることはできるのだ。

まあ良く内容を理解していなかった自分のせいなのだが、このロボアドバイザーというやつ、全然、全自動なんかじゃなかったわけだ。上げでも下げでもロボットが勝手にやってくれるのならと、時期を気にせず入金したのだけれど、投信みたいに上げ相場にしか対応できないなら話は別。それなら自分で運用するよ。

このウェルスナビを使っていても、もしもリーマンショックと同じことが起きたら、相場と同じ比率で損が出る、ということを理解した上で、相場が上げてさえいれば効率よく儲けることができるかもしれない。というスタンスで使うと良いかもしれません。やはり相場が下がり切ったときに入金するのが重要ですね。株価が暴落して皆がパニックになっているときに、ドサッと入金できる度胸があれば儲かります。

そもそも長期投資は、有利でも不利でもないということをしっかり理解しなくてはなりません。

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Category: DIARY

ikeura

バイク乗りです。犬でいうと6歳くらいです。愛車は2003年式ロードキング。東京のIT企業を経営していますが、リアル ノマドワーカーなので夏は福岡、冬は沖縄に住んでいます。バイク雑誌に連載アリ。ツーリング、キャンプが大好き。釣りは100キロ超級のクロマグロだけを追いかけています。動画も撮るので宜しければチャンネル登録もお願いします。

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1コメント

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  • 参考になりました。
    2000年頃の投信ブームの時に、投資信託の手口に疑問を覚えてすぐにやめたのですが、wealth naviも結局は投信の一種なのですね。

    やっぱり買うのやめます。
    ご教授ありがとうございました。

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