「ボッ!」 点火と同時に響き渡る一瞬の重低音。
見知らぬバイクのセルが回って点火一発目の排気音。
思いのほか図太かったりすると、「お、こいつは何か違う」 と一瞬で素性が分かってしまうあの感じ。
初めてこいつに火を入れた時もそう。あの一瞬で完全に魅了されてしまった。
バラの棘の様にもステゴサウルスの背びれの様にも見える、
真っ赤に熱されたヘッドから9つにスプリットして飛び出す魅惑の青い炎。
重低音を奏でながら花開く、この独特なフレイムが Vulcano 111 最大の魅力です。
そしてこの Vulcano111 が、マイ フェイバリット ナンバーワン。
トップ・オブ・ストーブなのです。
非常にコンパクトな仕舞い寸法。しかし展開すると、加圧ポンプが装備された大きなブラスタンクが出てくる。
そして特徴的な大きめのヘッド。
タンクを外側に出してセットし、ポンピングとプレヒートをするとそ
コンパクトなのに加圧式で火力調整が自在。そして大排気量エンジンを彷彿とさせる図太い燃焼音。
ホワイトガソリンストーブの燃焼音は、MSRのドラゴンフライが轟音で有名だが、それを遥かに凌駕する魅惑の重低音を奏でる。しかし音量はドラゴンフライのそれよりも小さいので実用的である。
本体は小さいが五徳が大きいのでどんなサイズの鍋でも乗る。しかも加圧ポンプ内蔵だから火力も強い。これだけコンパクトな収納サイズでこれだけの機能を実現しているストーブを他に見たことがない。ツーリングストーブナンバーワンである。
唯一の欠点は入手困難であるということ。実際これを手に入れるのに二年の歳月を費やした。
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