目覚ましの音で目が覚めたと思ったら電話の音。
あらヤマさん。どうしたの?と電話に出るとこれから行ってもいいですかと来た。
いいですよと言った瞬間にピンポン。そりゃ隣の部屋ですからね。
サリーちゃんのパパみたいな頭のままドアを開けると、革ジャンを着て腰から何かをぶら下げた見るからにバイカーの姿。そうか行くのね、気をつけて!瞬間ですべてを悟って握手して見送る。
ズドドドドと爆音を響かせながら走り去るバイクをホテルの部屋から見下ろす。
北の空はどんより曇り空。
そういえばヤマさんと合流した途端、九州の天気予報が曇りと雨マークに変転。
天気予報なんてまるで気にしていなかったのに、どよーんと様変わりした週間予報を見せながらすみません強烈な雨男なもんでと恐縮する彼。
いや俺は全然降られる気がしないから大丈夫と一蹴。昨日も雨予報だったけど快晴そのものだったでしょ?
でも彼ひとりになったら帰り道は雨なのかなぁ、いや絶対そうだ。とちょっと半笑いのまま二度寝。
今日はホテル前のフェリー乗り場から、9時40分のフェリーに乗るから時間あるのよ。
フェリーから見える南の空は明るい。
今日はあの雲の切れ目に向かって走ろう。
二度目の鹿児島、走り出すと同時に日差しが強くなる。
前回は通り過ぎただけの長島も、裏側に回ると魅力的な景色が広がる。
そのまま対岸の海沿いを走り、空を見上げると東の空が晴れている。
そして暑い。
標高が上がれば涼しくなるぞ、山へ登れとせかされるまま、それに従う。
ということで、前回パスした えびの、霧島にチャレンジ!
しばらくは閑散としていた道も、ルーリングマップルを見ながら濃色の道を進むにつれ混んでくる。
やっぱりここは観光地らしい。シルバーウィーク出現だ。
快適なつづら折りの道をのろのろと登る。前にクルマがいなかったらどんなに楽しいんだろう。
連休の志賀草津道路やビーナスラインが走れないのと同じで、やっぱり連休はこんなものか。
前後をクルマに挟まれて、いい景色を見ながら走る。が、少しづつ溜まるストレス。
それでもちょっと国道から逸れれば、すぐにでも始まる1.5車線県道ワールド。
クルマの来ない(バイクもいないけど)道を選べば楽しい。
途中、雨雲に行く手を阻まれてUターン。
2キロ手前は快晴だったのに突然降り出した大粒の雨。びしょ濡れ寸前のところで助かった。
その後も上を見ながら走るも四面楚歌。雨雲が遠くからぼくを取り囲む。
彼方に見える青空は北東方向。
鹿児島の女将との再会や、都城や国分初体験や、霧島温泉でのんびりーなんて思い浮かべながらどうしようと思っていたが、空が行き先を絞り始める。
こんな山の上で午後4時にぐるぐる回っている俺は、そんなに雨が嫌なのか、それとも楽しんでいるだけなのか?
青空が真上に広がっているのに、濡れた路面。不思議な天気に翻弄されながら逃げ惑う。
結局、最後にドサッとまとめて降られて濡れネズミ。
路肩で合羽を着る羽目になったけれど、もうホテルまで10キロ足らず。
今日も楽しかったー!