先生曰く、燃料が来ていて、点火に問題がなければエンジンは掛かるそうです。
でも、まったく掛かる気配がありません。 すると電話口から次の指令が。
「17mm持ってます?」
HSR ならキャブの下に17mmのボルトがあるので、それを一度、外す様にということです。
キャブの下を覗くと確かにボルトがありました。
17mm のソケットを合わせてみるとピッタリです。これに間違いありません。
訳も分からずボルトを緩め、外してみると…。
ドボドボドボドボドボドボドボドボ。
ガソリンが出てきました。
いつまで経っても止まりません。 あ!これはマズイ!と、気がついてボルトを元に戻しました。
話をあまりちゃんと聞かずに実践してしまったため、床がガソリンだらけになってしまいました。
このボルトは燃料コックを閉めてから外さなくてはいけなかった様です。
床のガソリンを念入りに拭いてから、果たしてこんなことで復帰するのかと半信半疑でスタータースイッチに再び手を掛けます。揮発したガソリンのせいで、頭が少しクラクラします。
キュルキュル、ボボ、ボボボ、ボボボボボ!
おお!来ました来ました!
既に夜になっていたので、すぐに止めてしまいましたがこれにて一件落着です。
やっぱり本当にガソリン腐っていたんでしょうか。
***
臨死体験をしたあの日から、二ヵ月半も放置していた我がロードキング。
こんなに長い期間、火を入れなかったことなんてなかったので機嫌を損ねてしまった様です。
それにしてもこんなに長時間、セルを回し続けたことはありません。
恐らくこの二日で、三年分は回したのではないでしょうか。
いつもスタータースイッチを押した瞬間に「ドゥオン!」と一発始動だったので、「キュル」どころか「キュ」という音さえ聞いたことはなかったのですから…。