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6-2:宮崎到着

  • 道端ジェシカ

そして長いトンネルに入った。
涼しい。少しアクセルを戻してゆっくりと体を冷やす。
トンネルの中ほどで宮崎県の看板。これを抜ければ宮崎だ。とうとうやってきた。
そしてトンネルを抜ける。するとそこには青空が!
さすが太陽の国だ!宮崎県に入った途端、晴れ渡った!

あまり晴れっぷりに驚いて、逆に冷静なって考える。
この島は。この九州という島は、中央にそびえる山々が西から進み来る雨雲を遮断しているのだ。だからいつも宮崎は晴れなんだろう。そういえば阿蘇はいつも雲に覆われている気がする。そして長崎はいつも雲を湛えている。
きらきら光る水辺を眺めながら快適な川沿いの道を流す。なんて幸せなんだろう。ありがとう九州。
もしかしたら九州は俺を観光大使として認めてくれたのではないだろうか。それなら九州の楽しさを皆に伝えて沢山の人を呼ぶよ。だってこんなに楽しい道が沢山あるのだから。独り占めするなんてもったいない。
川沿いの道を気分良く降りてくると西都市に入った。そしてすぐ隣が宮崎市だ。
九州の良いところは、市街地のすぐそばまで気分サイコーな道が続いているということ。
国道に出てしまえば元も子もないが、ちょっと外した道を走れば大丈夫。
なんとなくそそられる道があったのでそのルートを進むと、夕暮れの涼しさと相まって最高のコースとなった。
町外れのその道に人の姿はない。時々すれ違う軽トラも、夕暮近いこの時間、どんどんその数が減っている。
まるでクローズドサーキットの様なその道を、誰も来ないという妙な安心感と共に走る。
ズドドドドと、開け気味のアクセルが放つ排気音が誰もいない山道にこだまする。
結局一滴の雨に降られることなく、九州を横断して来ることが出来た。
軽い高揚感を覚えつつ、宮崎市中央部へ入る。
いつものホテルのパーキングにバイクを停めると、長い一日が終わった。

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