三年前に作って仮付けのままにしてあるジルコニアクラウンの前歯がやはり納得いかず、やり直しを検討する為に、審美歯科で評判の良さそうな（院内に歯科技工士がいる）歯科に訪れてみた。無料カウンセリングなのに途中から「検査」をお薦めされて、金額の説明は無いまま「有料の検査に切り替えても良いですか？」と言われて「はい」と答えると、CTと写真を撮られまくった。
一時間程度の検査の後で、先生から「前歯のやり直しに掛かる費用はおよそ50万円」と口頭で説明された。先生のスキルや人間性は問題なさそうなので、安心して任せられると思った。11月から半年ほど福岡を離れると告げると、ならばその前にとホワイトニングを勧められた。それに対して「やってみても良い」と告げると8万円の見積りが出てきてサインを求められる。
とりあえず年内はホワイトニング。来年春以降に前歯の治療開始という方針が決まると、「次回ちゃんとした検査をします」ということで予約を取る。日付が決まると「検査費で5万円掛かりますのでご用意ください」だって。ホワイトニングの相場が分からないのと、どのような検査するのか分からないので、それらの金額が高いのか安いのかは不明だが、あっという間に13万円＋50万円の出費が確定するとちょっとだけ憂鬱になった。
そして、最初から最後まで担当に付いてくれてた歯科衛生士の女の子が超絶可愛いかったのは、私から金を巻き上げる為にかなり有効な手段であったことは間違いない。これは営業手法としてはかなりまっとうで王道な方法なのだが、その効果の程をこれほどまでに近くで目の当たりにしたのは初めてだった（なにせ自分自身が餌食になったのだから）。
二時間ほどのカウンセリングが終わった帰りの会計は9千円位だった。今日おこなわれた検査内容を考えると、この金額は妥当だと思うが、「無料カウンセリングに来たはずが」という気持ちは拭い去れない。そして次回の（この5倍の費用が掛かるという）検査はどのようなものなのだろうと不思議にもなる。
院長とも副院長ともかなり長い時間に渡って話ができて、その真摯度とクオリティの高さには満足をした。院全体の雰囲気もとても良かったので、ここでお願いしたいと素直に思えた。というより、最初からここでお願いできたらどんなに良かっただろうと思った。けれども最初からここでお願いしていたら、コストは相当に膨れ上がっていただろうことも想像に易い。やはり良いものは高いのか。
ここ天神は、東京でいえば銀座に相当するエリア。そんな場所にやたらと立派な医院があるのだから、すべての値段が高いのは仕方ない。設備や地価に対するコストは当然に治療費に上乗せされているからだ。切磋琢磨して自身の技術を高めた医師が、良い場所で良い医院を開いた結果、そのコストは随分と高いものになってしまった。そしてそのコストを肩代わりできる者だけが、その医師の差し出す恩恵に与れるという構図。これは、場所やブランドに対して支払われるお金のバカバカしさに気が付いて東京脱出を図った私には少し高く感じられるものではあるが、やはり良いものが高いのは当然なのだ。
とはいえ、あくまでも福岡相場に比べたら高いというだけであって、東京価格にしたら普通かもしれない。福岡に居ながらにしてこれだけハイクオリティの治療を、東京の普通価格で受けられるというのなら、それはとても貴重な医院であることは間違いがない。
この歯科医はココです。