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SEA FROGS ハウジング レビュー

SEA FROGS 水中ハウジング

SEAFROGS 水中ハウジングのレビュー

導入背景
ダイビングで使うために SONY A7SIIIを購入した。ミラーレス一眼のカメラを水中に持って行くにはハウジングが必要なのだが、ノーティカムなど一般的な一眼用のそれは50万円程する。さらにレンズ部分のポートも必要になるが、こちらも20万円程度。さすがに高くて手が出ないので、Sea Frogs という香港製のメーカーの安物ハウジングを海外通販で購入してみた。

初期の使用感
早速沖縄のダイビングポイント「トライアングル」で水深40メートルくらいまで持って行ってみた。結果は無事に水没することなく普通に使えた。ボタンの反応はイマイチだったけれど、シャッターなど特定のボタンさえ押せれば問題ない。

水中撮影用レンズとポートの選択

レンズとポートの選定
水中で一眼カメラを使うのは初めてなので、どのレンズを選んでよいのか分からない。とりあえ画角を把握するために、安価な広角ズームレンズであるシグマの14-24ミリを購入した。これに適合するドームポートも購入したが、この「ひさし」みたいな部分が邪魔に感じる。こんなの水の抵抗にしかならない。

レンズ交換の影響
ズームレンズを使用しておおよその画角とその映りを確認すると、20ミリの単焦点レンズに買い換えた。大きなドームポートから、付属してきたコンパクトなフラットポートに変更すると、空気の容積が減る分、浮力も減ってウエイトも少なく済むようになった。

動画撮影とハウジングのカスタマイズ

動画撮影への特化
ちなみに自分は水中で写真は一切撮らない。このカメラは完全に動画用と割り切っているから、GoPro用の片手ハンドルを付けて使っている。いや、このカメラがGoProの代わりなのだが、なんとみっともない姿か…。

フラットポートの問題
コンパクトな単焦点レンズに変更したら、大きなドームポートからフラットポートに変更できた。浮力もかなり減ってウエイトが400グラム程度で済むようになった。しかし実際に使ってみたら、フラットポートに対してレンズの全長が短すぎて、ケラレが出るようになってしまった。そして事実上フラットポートではこの20ミリ単焦点レンズは使用できないという結論に達した。折角の軽量コンパクトで全長も短い単焦点レンズなのに、そのせいでフラットポートが使えないなんて…。
フラットポートをぶった切って、もう少し短くできれば最高なのだが、この作業は水没リスクが付きまとうので、要検討としよう。

ケラレ防止の為に、仕方なくドームポートに変更したら、ハウジング内のエア容積が増えまくって、風呂場で試してみたら必要ウエイトが1000グラムを超えてきた。200グラムのウエイト4個にダイビング用の500グラムのウエイトを付けてやっと沈まない感じになったが、正直これでは使う気にならないので対策が必要だ。

2021年4月21日追記

トラブルとその対処

ハウジングのトラブル
ハウジング自身の浮力が半端ないので三脚穴にウエイトを取り付けて運用していたら、三脚穴が壊れてしまった。ちょっと力を掛けてしまったら「バキッ!」と音がして取れてしまったのだ。破損部分をよく見ると、小さなネジ穴が小さなビスで留まっているだけの機構になっている。これは安物が安物である証なので致し方ない。それよりも、こんなにも簡単に壊れてしまうのだということが陸で分かって良かった。海中で壊れていたら惨事になっていたかもしれないから、早めに壊れてくれてありがとうと思った。

壊れた部分にはエポキシ樹脂を流し込んで修復した。壊れていない方のネジ穴にもエポキシを使って補強。これで壊れる前よりかなり強度が上がったので安心して使えるようになった。

2021年5月22日追記

レンズの再選定
折角購入した20ミリの単焦点レンズだったが、そのコンパクトさのせいでこのハウジングとの相性がイマイチだと分かったので、以前から気になっていた16-35ミリのズームレンズを買い足すことにした。少し重くて長いレンズだが、水中なら重さは感じないし、サイズ的にもドームポートにぴったりフィットする。

風呂場に持ち込んで浮かせてみたら、必要なウエイト量は500グラムに減っていた。空間の広いドームポートだが、レンズが大きく重くなったことでバランスが良くなったのだ。もしやと思ってダイビング用のソフトウエイトを巻き付けてみたら、ちょうど隙間に埋まる感じで使いやすくなった。

ハウジングの進化と最新状態

レンズフード
ずっと邪魔に感じていたレンズフードにはドリルで穴開けをした。もちろんこれは水の抵抗を少しでも減らして速く泳ぐため。ハウジングが安物だと、気軽に加工できるので良い。

 

2021年6月25日追記

ストラップ
ストラップのカラーを黒から赤にチェンジした。ストラップはカメラの持ち運び用だと思っていたが、船上の人にカメラを受け取ってもらうときに使うものだと分かったので、視認性の良いものにした。いままでの黒いストラップは船上からは見えにくく、左右のハンドルに手を伸ばされていたが、色を変えてからストラップを持って受け取ってもらえる確率が大幅に上がった。

ハンドル
強度面で不安が残る三脚穴に取り付けた片手ハンドルだったが、家にGoPro用に買ったINONのハンドルが一つ余っていたので試しに取り付けてみたら結構使いやすかった。暫くは左側だけで使っていたのだが、やはり両側欲しくなってもう一つ買い足したら、普通の両手ハンドル仕様になった。コンパクトさが減ったような気もするが、それでも他の高級ハウジングに比べると、圧倒的に軽くて小さいから、動画を撮るための機動力としては最善だと考えている。両手をまっすぐに伸ばして構えると、カメラとカラダの投影面積が重なり水の抵抗は最小限に抑えられているはずだし、何より手振れ対策が最重要課題になってきているので最終的に両手ハンドルになったのは必然だろう。

ズームリング
100均で買ってきたクリーム入れの蓋を、小さくて操作しづらかったズームリングのツマミの上に両面テープで取り付けた。径が大きくなったので軽い力でズームリングを操作できるようになった。

総評
以上のようなカスタムを経て、このハウジングは概ね完成形になった。キチンとメンテナンスをしてやれば水没の心配もなさそうだ。チープだが、この軽いハウジングは結構気に入っている。ちなみにハウジング代が安く済んだ分、本体とレンズ類はすべて水没保険に入っている。

2022年3月15日追記

ガラス製ドームポート
シーフロッグ社のホームページを見ていたら、全長の短いポートが発売になっていた。オプションでガラス製の選択ができたのでこちらを購入した。レンズの素材が標準のポリカーボネートからガラスに変わり、ポート長の短縮により浮力が減ったので、使用するウエイトが少なくて済むようになったのは大きな恩恵。釣り用の小さいオモリをフード下に一個付ける程度で中性浮力が取れるようになった。

さらにカメラのレンズよりドームポートの縁が後ろにオフセットしたため、ずっと懸念事項だったケラレがやっと出なくなりました。大深度まで行くとまだ少しケラレることもありますが、それでも以前に比べるとかなり良くなりました。短いポートを使うようになってから、もうズームレンズは使わなくなりました。

ポートカバー
純正のポートカバーが破れてきたので、オキナワブレッシングで作ってもらいました。一個4,000円也です。ご連絡いただければ、当方で手配可能です。
径と奥行きを指定できます。

中性浮力について

のんびり慶良間ダイビングのワンシーンです。ガイドに自分の姿を撮ってもらいました。カメラが手を離れていますが、これは水中で停止しています。
SEA FROGSのハウジングはプラスチック製の8万円也の安物ですが、軽くて中性浮力を取らせることが出来る点が最大のメリットです。オリジナルは完全にプラス浮力ですが、ハウジング内部をパテ埋めして空気量を減らし、簡単なウエイト調整をすれば誰でも中性浮力にセッティングすることができます。海中で手を放してもその場所に留まるので失くす心配が無いし、自身のウエイト量にも干渉しない。そして小さく軽いから速く泳ぐことができます。ノーティカム辺りのちゃんとしたハウジングもカッコイイなとは思いますが、もうわざわざ乗り換えるメリットを感じなくなりました。

予備機の購入
ソニーA7S3専用ハウジング。後継機種がそろそろ発売になるからなのか、割引セールになったので予備を買い増ししておきました。本体が398ドル、送料が29.99ドルで合計427.99ドルでした。ノーティカムのオーバーホール代より安いので、予備機を買ってしまうのはコスパが良い。

SEA FROGS ハウジング

ハウジングの耐久性
モルディブなんかで50mとか60mとか深い所まで行くと、水深下げてる途中でハウジングから「ミシッ!ミシッ!」と音がします。同様に浮上するときもそれが緩む音がします。いまのところ水没はしていないし、ボディが壊れそうな感じもないので大丈夫だろうと思いますが、もしも水中で砕け散るなら水没保険の効いている期間内にして欲しいものです。

シャッターリレーズトリガーの導入
動画はオートフォーカスで撮っているけれど、ピント合わせのためにシャッターボタンは頻繁に押します。理由はターゲットとの間に泡が流れてきてもフォーカスが変わらないように、フォーカス乗り移りスピードを最遅にしているから。この設定だと目の前に撮るべきターゲットが現れてもピントが合うまでタイムラグがあるので、シャッターボタンを押してフォーカスしてあげる必要があるのだ。(動画モードではシャッターボタンはフォーカス)

グリップからシャッターボタンは遠いので、ハウジング本体を掴んだり、人差し指を伸ばして押したりしていましたが、それらは手振れの原因になっていました。以前から「あると良いなぁ」と妄想していた「シャッターリレーズトリガー」を取り付けることにしました。もちろん純正品なんて発売されていないので、アマゾンで汎用品を購入しました。そのままでは位置が合わなかったので、トレー側に若干の加工をして取付けることに成功しました。

使ってみると非常にシャッターボタンを押しやすくなりました。ただ、動画素材にボタンを押す音が入ってしまうので、それらを除去してあげる作業が発生します。そして、編集作業をしていて思ったのは、シャッターを押す前と後でフォーカスにあまり動きがないということ。ちゃんとフォーカスできているのに、念のためボタンを押しているだけ、というケースが大半を占めていました。ソニーのオートフォーカス恐るべしです。という訳で、このトリガーは数か月使用した後に取り外しました。

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Category: ハウジング

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