みなさん初めまして。DAVID 代表の仮屋 賢二と申します。
今回は、黒キンさまより、ツインカム TC88 からのビックボアのレポートのご依頼にいただきまして寄稿させていただいた次第です。
よろしくお願いします。
早速ですが、本題に入ります。
ビックボアシリンダー組み込みの為、腰上を分解します
ポート研磨します。
ポート研磨とは、より多くガソリンと空気の混合気を吸い込めるようにします。
ポート研磨 といいますと「より大きく研磨して抵抗を少なくするといい」と思われがちですが、それは間違いです。
大きくすれば断面積は増えて流量は増しますが、流速が落ちてしまいます。逆に断面積が小さければ流速は上がりますが、流量が下がります。では どのように研磨するかと言いますと、流速を上げて流量も上げます。
まず 抵抗となるバルブガイド付近を削り込み、流量を上げてポート入り口(インマニ取り付け部分)と出口(バルブシートリング部分は、段つきを取り除き、鋳肌も取り除き、流速を上げる為に大きくは削りません)を研磨します。
よくピカピカにポートが鏡面研磨してありものがありますが、ストリートを走る分にはまったく必要ないです。と言うか、やらないほうがいいです。
なぜか? それは霧化の問題で、ピカピカに磨いてあるよりもヘアラインで仕上げた方が、表面積が増えて、よりガソリンが霧化するからです。
霧化が促進するとアイドリングの安定や、燃費向上、始動性も良くなります。
レースなど競技などで使用の場合は、アイドリングも始動性も、ある程度の燃費など関係がなく、パワーが最優先されるのでピカピカに仕上げてあるのです。(難しい話ですいません)
最後に ポート研磨は決して職人技などではなく、理論や計算上で行っているのです。
ここではそれだけでも分かっていただければ、幸いです。
燃焼室加工です。
F&Rの容積を合わせ、圧縮比の調整をします。
もちろん鋳肌を取り除き、表面積を小さくします。
表面積を小さくすると燃焼熱が最大にピストンに伝わりますので、効率が良くなります。
カムシャフトの交換です。(左アンドリュース、右ノーマル)
より多い時間開き、より広く開いて混合気をシリンダーに送ります。
圧縮比と緻密な関係にありますので、オーナーの乗り方、使用状況によってベストチョイスします。
こんなにも違うですよ!ボアが(ピストン直径)
出来上がり。
よく観ないと分からないぐらい良くできてます。
今回のレポートは以上です。
長々と書きましたが、分からない点などございましたらお気軽にご連絡ください。
クリスマス特別寄稿として、噂の DAVID 仮屋氏にレポートをいただきました。
黒キンさん、仮屋さん、ありがとうございました!