賛否両論ありますが、しばらくバイクが無いのでキャンプネタでお茶を濁したいと思います。
中学生の頃、BE-PAL と 「山と渓谷」という雑誌が愛読書の大久保くんという同級生がいました。
彼は山について、ストーブについて、野営についてと、毎日毎日熱く語ってくれるのですが、自分にはそんな事 まったく興味がありません。
どちらかというと夜のアウトドア(!)の方に興味があったので、彼の話は適当に聞き流していました。
そんなある日、面白いから山登りに行こうと学校帰りに無理やり誘われて軽い気持ちで一度だけ付いていってしまったことがあります。
藪の中の道なき道を付いて行くと到着したのは山ではなく崖。ほぼ直角に立ち塞がる絶壁を登らざるを得ない状況になっていました。
そう、彼は単なるアウトドアかぶれなんかではなく、中学生にして立派なクライマーの端くれだったのです。
ふざけるな!と怒ってみてもそこは深い山の中。既に一人で帰れるような場所ではなく、逃げ場も無いので仕方なく彼に着いてその崖を登る羽目になったのです。
手足をガクガクさせながら見よう見まねでなんとか登りきった崖の上にはそれはそれは綺麗な絶景が広がっていたのです。
それからというものすっかり山の虜に!なんてなる筈も無く、以来彼の誘いには一切乗らず、BE-PALで仕入れたと思われるヨタ話なんかも全部無視して、彼のことは青春熱血バカと定義付けました。
そんな彼はいつもリュックを背負っていたので「遠足かよ!」と突っ込むと「これはリュックじゃないよ~、デイパックって言うんだよ~」と返されましたがそんなこと知ったことではありません。
それ以来 山登りとか「リュック」には軽い拒否反応が出るようにすらなりました。
ただ、趣味趣向はまったく合わないけれど「コイツはスゲー奴」と心の中で思っていたのは確かです。
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バイクに乗り始め、キャンプをするようになると、当然の流れでキャンプ道具を集め始めます。そしてテントやらタープやらへの物欲が一巡すると、今度は古いストーブに興味が湧き始めました。
弁当箱みたいなストーブや液燃モノに親近感を覚えてしまったり、古いキャンプ道具の名前はどれも多少なりとも聞き覚えがあるのは、毎日毎日興奮しながら熱く語り続ける彼の話を延々と聞かされ続けた、あの頃に由来するのかもしれません。
そういえば、最近になって彼が 「ラジ」とか「エピ」とか言っていたことを思い出しました。彼は液燃ストーブを総称して「ラジュース」と呼んでいたのです(エピはEPIのことで、ガスストーブを指していたと思われます)。昔は殺虫剤をキンチョール、絆創膏をバンドエイド、携帯プレーヤーをウォークマンなどと呼んでいましたので、それと似たようなものでしょう。
25年の時を経て、彼の発していた 「ラジュース」 という言葉が RADIUS(ラディウス) のことだと理解したのです。
それにしても適当に聞き流していたラジュースなるものをまさか自分が手に入れることになるとは...。 無意識に刷り込まれた記憶というのは恐ろしいものです。
さて、前置きが長くなりましたが次回はそんな RADIUS が登場です。
ラ?ジュースって、どんなジュースかと思いました。(笑)
そんな大久保さんは今頃どうしているのかちょっと気になります。