やっと到着した長崎。
ざっとシャワーを浴びて思案橋へタクシーを飛ばす。
何度も長崎には来ていたが、実はこの辺りは初めて。
ぐるっとひと回りして黄色い看板がやけに目立つ中華料理屋へ飛び込んだ。
客は他に誰もいない。
「生ビール。あと特製ちゃんぽん。」
パッとメニューを見てすぐにオーダーを入れる。早くビールが飲みたい。
私は生ビールが大好きなので、一口飲めば、ほぼ銘柄を当てられる。
但し、何故かサントリーのビールとだけは相性が合わない。
ビールが飲みたい気分の時に、店の入口にモルツの暖簾なんかが掛かっていたら入るのをかなり躊躇する。いや、多分他の店を探す。
一日中走りまわっての、遅い夕食。
そして出てきたのは「TORYS」と書かれたグラスに注がれた生ビール。トリスって...。
一口飲んだらそれは紛れもなくプレミアムモルツだった。
「くぅあーー!うめー!」
一気飲みである。
そして特製ちゃんぽん登場。
白濁のスープに沈む麺と、ピラミッドの様に積まれた野菜と海鮮。
過去、食したことのある有名店のちゃんぽんを遥かに凌ぐ旨さ!
完全にランキングトップに躍り出た!
だが、モルツが旨いと思ってしまうほど麻痺した感覚。大丈夫か?オレ。
しかし旨かったものは仕方ない。
暫らくして奥から作った張本人が登場。
「うまかった?」「うんうん、うんまかった!」「そう、それは良かった。」
「いつまでいるの?」「まだ決めてないけど、天気悪かったらもう一泊。」
「じゃまた明日も待ってるよ。」「そうだね、雨なら来るよ。一番のお薦めはなに?」
「ギョウザ。」「え?ぎょうざ?」「そう、ギョウザ。毎日作って食べてるからちゃんぽんは飽きるけど、ギョウザは全然飽きない。」「そうなんだ、じゃあ明日またギョウザ食いにくるよ。」
中華料理屋を後にして、夜の街を歩いてみる。
思案橋。名前は良く聞くので繁華街を想像していたが、九州の他の都市のそれに比べると、随分こじんまりとしている。
時々声を掛けてくる客引きの兄ちゃんも大人しい。話しかけても響かない。
余計な事を喋ると誰かに苛められるのだろうか。示し合わせたように誰も何も喋らない。
これでは次の店へ行けないではないか。
仕方なく無料案内所へ行き、この辺で一番流行ってる店はどこ?と聞いてみる。
「それは分かりません。」はあ?じゃあ、オススメの店はある?
「どこもオススメです。」はあ?じゃあ、どこ行きゃいいのよ。
「それはお客様が選んでください。」と、壁のパネルを指差す。
ちょっとうんざりしてきたので、ここは何してくれる場所なの?と聞くと、
「お店をご紹介するところです。」と、のたまう。だったらいい店紹介してくれよ。
どの男もみな同じような腑抜けばかりなので、ビラまきの女の子とか休憩中のオバちゃんから情報を仕入れて次の店を探すことにした。すると、女の子もオバちゃんもすこぶる歯切れがいい。
早速女の子に教えてもらった「可愛い子の多い店」に行くと満席で入れなかった。
さすが。自分の足で稼いだ情報。ガセネタではない。
次にオバちゃんに教えてもらった「最近流行ってる店」に行くと確かに流行っていた。
いいなぁ、長崎弁って...。
そんな感じで長崎の夜は更けてゆく。(これ以降は記憶なし)
3-2まで写真満載なのに、なんで、なんで、ナイトだけ写真少ないんですか(怒)