ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンが壊れてしまったとき、ネットを色々見て回っていたら、あちこちのアフィリエイト広告でこの商品が表示されるようになってしまった。いまどきのネット広告は、人の閲覧履歴を勝手に使ってくるので的を得た商品を進めてくるので困る。
「なんだこれ？」 と、思いながら素直にポチッと押してしまうと、それは BOSE の Bluetooth スピーカー
だんだんと気になり始めて調べてみると、「テレビに繋ぐと音が良くなる」とか、「クルマに積むと純正スピーカーより良い」とか、「とにかく音がいい」とか、すこぶる評判がいい。
但し、値段は27,000円也で、結構高い。
オフィスではパソコンに繋がっている外付けスピーカーが Bluetooth 機能を持っているし、書斎のコンポにも Bluetooth は繋げるし、福岡のアウディも沖縄の軽自動車も、カーオーディオに Bluetooth で繋がるようになっている。しかもアウディは最初からボーズのスピーカーシステムが組まれてる。
じゃあ、こんなの買ってもいつ使うの？ってことで暫く保留になっていた。
しかし、沖縄の家は安いワンルームマンションなので壁が薄い。
テレビは SONY のブラビアだが、スピーカーが裏側についているので、音はその薄い壁に向かって鳴っている。
もしかすると隣の家の迷惑になっていないだろうか。
じゃあ、こいつをテレビの前に置いて繋いだ方がいいのかもしれない。その方が、いい音するのかもしれない。
そういえば、沖縄の軽自動車は10年以上前のポンコツなので、純正オーディオは貧相な音しかしない。
じゃあ、こいつをダッシュボードの上なんかに置いた方がいいのかもしれない。その方が、いい音するのかもしれない。
ああそうだ。バイクでキャンプに行くときは、こいつを荷物の上に括り付けておけば、即席オーディオシステムが出来上がるじゃないか。
走りながらスピーカーで音楽聞くというのも、ちょっとやってみたい気がする。
但し、あくまでも山奥限定だ。大音量でサービスエリアなんかに入ってくる人たちみたいにはなりたくない。
そんな訳でつい買ってしまった…。
冒頭の写真で一緒に写っているのは、音源でもある iPhone 6S。
比べてみるとそのサイズ感が分かるだろう。かなりコンパクトでいい感じだ。
見た目に反してずっしりと重みがあるのはスピーカーとしては良い傾向。
デスクの上に置いて小さめの音で鳴らしてみると、小振りなボディからはボーズらしい重低音が鳴る。
家ではあまり大きな音は出せないので、とりあえずクルマに積んで走ってみた。
予想していた通り、センターメーターの前にピタッと収まった。
しかし、ものの数分で 「失敗したな」 と、思ってしまった。
確かに音はいい。ボーズらしい重低音も出ている。
だが、音に広がりがまったく無い。定位感ゼロ。
「そこ」からしか音は聞こえてこない。
具体的に言うと、運転席からだと左前からしか音がしない。ピンスポット。
これでは単なる音の良いモノラルスピーカーだ。
一個しかスピーカーのついていないラジカセを積んでるみたいだ。
音質はともかく、安物であっても左右両側にスピーカーが付いている状況には絶対にかなわない。
早々に見切りを付けると、純正スピーカーに切り替えた。うーん、落ち着く。
クルマで使うといいと言ったやつは、いったいどんなクルマに乗っているんだろうか。
二度とクルマで使うことは無いので、せっかく作った滑り止めを投げ捨てるとスピーカーを持って部屋に戻る。
そして今しがた買ってきたばかりのピンケーブルで、テレビのスピーカーに繋いでみた。
「ショボーン、ショボーン」
なんと、家のテレビがモノラル放送になってしまった。
テレビの中の深キョンが、「いったいどうしてしまったの？」 と、不思議そうに呟いている。
こんな音を聞いたのは久しぶりだ。
そうだ。このスピーカーは、入院した時にベッドの横についている、あの小さいテレビに繋ぐといいかもしれない。
だが、ブラビアに繋いじゃダメだ。
結論。
Bluetooth スピーカーといえば、数千円のスカスカの音しかしないモノ。
そうゆう基準で考えると、このスピーカーから吐き出される音圧と音質はボーズのそれであり、素晴らしい。
コンパクトなのでアウトドアや外出先へ持って行って使うのが良いだろう。
それが正しい使い方なのだ。
だが、据え置きのスピーカーシステムには絶対にかなわない。
自宅で使うつもりで買うのなら、独立型のスピーカーの方がいい。
5000円も出せば
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さて、役立たずになったこのスピーカー。
「ほぼ新品」なので、ヤフオク行きにしてやろうと思ったが、
「バイクでキャンプに行くときに、荷物に括り付けて走ってみる」
というのをやってみたいので、暫くは手元に置いておくことにする。