食事も終わり、焚火も終わり、夜も更けたのでそろそろ寝よう。
でも少し寒い。
コールマンのヒーターアタッチメントを常備しているが、今日のストーブは SVEA123R。
まあガス缶な訳じゃないし、マナスルヒーターが大丈夫なんだからスベアでも問題ないはず。だって形が似ているし。
風防がある分、熱が籠もりそうだけれど、その辺は短時間の利用にして気をつければ大丈夫だろう。
簡単な脳内検証をして使用開始。
激さむという訳でもないし、テント内が少し暖まったら、火を消して寝ようと思っていた。
(この写真では炎がはみ出しているがこれは外で撮影したもの。実際にはとろ火で使用)
前室にこのヒーターを載せたストーブを置き、テント外側のドアを閉め、内側のドアは開けた状態で、テントの中であぐらをかいてワインを飲む。
赤い火を眺めながら、眠気と闘いながらダラダラすること30分。
そろそろテントも暖まったし、もう寝よう。
カラダも暖まってきて、少しうとうとしたと思ったら突然目の前に大きな火柱が出現!
ぼっわっ!! っと猛烈な勢いで火がテントを燃やす。そして自分に迫る!
咄嗟に火元であるストーブを手で掴み、外に向かって投げ飛ばす。
燃え移ったテントの、燃える火を叩き消す。
焦げくさい、と思ったら髪の毛も燃えていたので、これも叩き消す。
ほんの一瞬の出来事だったけど、多分、数分は火と格闘していた筈だ。
鎮火して落ち着くと落胆する。
ああ、なんてこった。テントを燃やしてしまった。
これじゃあ寒くて眠れない...。どうしよう...。
テントが燃やしてしまったショックと、酔っていて眠いのに、寝られない悲しさに包まれた。
しばらくすると、手に痛みを感じる。どうも火傷をしたらしい。
またしばらくすると顔も痛い。どうも顔も焼けたらしい。
クーラーボックスの氷で冷やす。
どうしよう...。
これじゃあ今日は寝られない。仕方ないから、冷やし終わったら撤収して帰ろうか。
手と顔を冷やしていると、酔った頭も冷えてきたのか、だんだん酔いがさめてきた。
氷から手が離れると激痛が襲ってくるようになった。
氷で顔を冷やしていたら、顔の皮膚が動くことに気が付いた。
穴のあいたテントの中で、氷まみれになっていたらカラダがガクガクと震えてくる。
もしかするとこれはヤバいんじゃないか?
シュラフに潜り込んで、とりあえず朝までやりすごそうかとか思ったけれど、大量にあった氷も徐々に熔けて残り少なくなってきたので、100メートル程離れたところでキャンプファイアーをしている大学生(昼間挨拶をしてあったので面識がある)の所へ、助けを求めに行った。
これから帰りたいんだけど、手が痛いので片付けるのを手伝ってくれないか?
快く手伝ってくれる事になったのだけれど、顔を見るなり救急車を呼んだ方がいいんじゃないか?いや、呼びましょう!ということになった。
自分の顔が見えないので、事の重大さが分かっていないけれども、顔の皮膚が動くのは確かにヤバい気がする。
しばらくすると、まず消防車が到着。そして程なく救急車到着。
救急車に乗せられて、手と顔を冷やしていた氷袋を取り上げられると、途端に激痛が走る。明るい所で見たら手が物凄い事になっている。
とてもじゃないがハンドルなんて握れる状態じゃない。
***
そして豊岡の救急病院到着。
鼻からカメラを入れられて、CTを撮られて、手と顔にワセリンを大量に塗られて、ICUに入院。
喉の内側が少し焦げているらしく、これが腫れてくると窒息死するらしい。
痛みはどんどん酷くなり、暖かい病室なのに眠れない。
大きな火柱が襲いかかってくる映像が何度もフラッシュバック。
ガソリンストーブはプレヒートが足りないと炎が上がることは良くあるが、あの火はちょっと違う気がする。もっと勢いが強かった。ガソリンが飛び散った感じの勢いがあった。
でも、死ななくて良かった。ありがとう。
続く...。
そういう事でしたか。事故の状況もikeuraさんの状態もわからず、
ただ事故の事実のみが伝えられていましたので本当に心配でした。
次は忘年会ですか?新年会ですか?お会いできるのを楽しみにしています!