って、信じられん…。
内訳は、大よそ100万円が歯の治療代で、残りが矯正費用。
元々は金属アレルギー対策で、口腔内の金属をすべて取り除くことが目的で始めた治療だ。
銀歯はもちろん、メタルコアの除去や、昔の根幹治療のやり直しなど、随分と歯科医に通いこんだ。
新しい歯はジルコニア・セラミックスなので、治療費はすべて保険適用外だ。
（ちなみに、安いからという理由で、安易に保険適用の治療をすると、私の様にあとで困ったことになるから要注意だ。特に子供の虫歯の治療で、簡単にメタルコアや銀歯を入れては絶対にいけない。紛らわしいのは保険適用の白い被せ物。あれは外側は白いけれど内側は金属だから超危険。その時は良くても、時間の経過と共に、見えない中身が悪化していく時限爆弾の様なもの。乳歯ならどうでもよいが、永久歯はその名の通り永久なので、子供の歯であっても金に糸目をつけてはならない）
もともと矯正なんてするつもりは無かったのだが、口の中から銀歯が消えて、すべてが白くなると、一か所だけ内側に捻転している歯のことが気になり始めた。そのまま治療を進めると、200万円近く治療費が掛かるにも関わらず、見た目があまり変わらないまま治療が終了してしまう。気になる部分を残したままそんな大金を払うことに、すこし納得がいかない。
まあ、この金額を高いと思う人もいると思うけれど、金属アレルギーによる痒みが完全に止まるのなら幾らだって払えるということは、この辛さを知っている人になら理解してもらえると思う。痒いのに比べたら、痛いことくらい大したことない。
それに大抵の人は洋服とかカバンとかクルマとか住所とか、そうゆうことに、数年でこのくらいのお金を平気で使っているでしょう。それに比べればとても有意義な使い方だと思う。
だから最初は捻転している一本だけを部分矯正にするつもりだった。最近は透明なマウスピースを使った矯正もあるというし、それなら目立たないからやってもいいかなと思い始めた。部分矯正なら 3か月くらいで直るという情報もあったので背中を押された。
しかし、カウンセリングで訪れた矯正歯科医は、ワイヤーによる全矯正を勧めてきた。「そもそも君の場合はマウスピースで動かせる範囲を超えているし、せっかくだからそのガタガタの前歯も直した方がいいんじゃないか？」と言われた。素人目には普通に見える歯並びも、矯正医から見ればガタガタに見えるらしい。
徐々に洗脳された私が矯正に踏み切ったのは、高い費用対効果が見込まれたから。先生といろいろと話をしていくと、全矯正をして歯並びが変われば 「ブリッジにするはずの箇所を、単歯二本で済ませられるかもしれない」 ということが分かってきた。ブリッジは一か所40万円程掛かるのだが、歯並びが変わって単歯2本で済ますことができれば1本12万円×2の合計24万円で済むから16万円の節約になる。ブリッジは2か所予定されていたので、それだけで32万円が浮く計算になるのだ。
そしてとどめの一言は、「君は歯並び悪くないから半額でいいよ」 だった。
執拗に部分矯正にこだわる私（だってそれほど歯並び悪くないんだもん）を見かねた院長が放ったこの一言で、80万円だったはずの全矯正の費用は40万円で済むことになった。すると、前述の32万円を考慮して計算すると、私の全矯正の実質的な負担金は8万円ということになる。この金額で歯並びが完璧になるのなら、2年くらいの不便は我慢しても良いかもしれないな、と思い始めたのだ。
矯正について意識するようになると、他人の歯並びも気になって仕方ない。よく見ると、みんなガタガタじゃないか。日本人は歯並びに無頓着すぎる。
子供の頃に矯正をしていた同級生を見て、可哀想とか、気持ち悪い、とか子供心に思っていたことがあるけれど、今思えば彼らが羨ましい。当時の本人達はイヤだったろうが、彼らはいい親を持ったシアワセものだったのだ。
私は大した服も買ってもらえずに放っておかれて育ったクチだから、この歳になるまで自分の歯並びなんて気にしたこともなかった。
さて、いまおこなっている矯正の費用はもう全て支払ってしまったので、暫くは大きな出費はない。一回数千円の、調整料が毎月掛かる程度だ。
しかしこの矯正が終わってしまうと、仮歯で済ませている箇所をセラミックにしなくてはならないので、再び怒涛の出費ラッシュが始まる。暫くは大人しく過ごして、セラミックの為にお金を貯めよう！
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