福岡滞在最後の週末。大将の顔が見たくなって唐津の蕎麦屋、里味庵へ行ってきました。「マツコの知らない世界」に出てしまったことを知っていたので、混み始める前の11時頃に到着する様に家を出ました。お店に近づくと、近隣の道路には駐車禁止と書かれたコーンが並んでいます。きっとこの辺に路駐するクルマが大量に発生して近隣にご迷惑を掛けたのでしょう。そして分かりにくいのがこの店の良さでもあったのですが、分かりやすく地図看板が掲げられています。きっと「場所が分からない」という電話が殺到したのでしょう。
お店に入るとやつれた女性が注文を取りに来てくれました。メニューは「のどごし」と「あじわい」の二種類だけだそうです。そしてテーブルや壁には沢山の注意書きが並んでいます。いままで大将が直接教えてくれていた事柄が、紙に記されて貼られているのです。そして注文したのは「のどごし」です。いつも頼んでいるものと一緒です。
ふとテーブルの上をみるとバインダーが置かれていました。何気なく開いてみると私の記事が載っているではないですか!訪れた方は是非読んでみてください。この記事書いたのはいつだっけ?と思って調べてみたら2018年の10月でした。各テーブルに備え付けられているようで、本当にありがとうございます。
食後、暫くすると大将が出てきてくれました。すっかり丸くなった表情で、しきりに腕を揉んでいます。腕には手術の跡キズと、丸いふくらみが散見されます。腱鞘炎で腕を壊してしまった様です。昨年の6月から有り得ないほどのお客さんが殺到してしまったらしく、ずっと蕎麦を打ち続けていたそうです。メニューを取りに来てくれた女性はマスクをしていたせいもあって誰だか分かりませんでしたが、それはすっかりやつれて別人のようになってしまった女将さんでした。
まあもちろん事前に承諾は取っていたにせよ、DEEN池森が不用意にこの店を紹介したがために、お店を取り巻く環境は一変し、あらゆるものを疲弊させてしまったように見えました。以前は注文後に客の好みに合わせて打ってくれていた蕎麦を出す店でしたが、客が殺到してしまったらそんなことは出来ず、蕎麦は作り置きにせざるを得ないでしょう。いま、大将の腕は壊れてしまっています。暫くは、あの頃の旨い蕎麦は食べられないかもしれません。まるでイナゴのように大量に押し掛けた客が、お店を破壊してしまった様にみえました。
いつもとは少し違う蕎麦を食し、大将と話をしてから、「また来ます」と挨拶してお店を後にしました。
大将と女将さんのカラダだけが心配になった再訪でした。もう完全予約制にするなどして客数を制限するなり、無理をしないようにしてください。なんなら自動予約受付サイトとか、私が無料でお作りしますします。どうかこれからも元気にいてください。
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