数年前から近くが見えづらくなっていた。ここ最近その傾向が顕著になってきてメガネ（悲しいかな老眼鏡のことだ）無しでは厳しい状態が続いていた。30代前半のメンバーが大半を占めていた BLOG HARLEY で、こんな記事を書いていること自体が残念でならないが、開設からもう20年も経つのだから仕方あるまい。
自宅ではメガネを掛けていれば良い。しかし外出先、特にレストランなどで裸眼でメニューが読めないことに困っていた。その都度カバンからメガネを出して対応するしかないのだが、若い女性を連れていたりするとそんなことはしたくない。ずっと対策を考えていたのだが、やっと解決策がみつかったので紹介しよう。
まず筆頭に上がったのは多焦点眼内レンズの装着手術だ。レーシックの様に手術をして、目の水晶体を人口のレンズに交換してしまえば簡単に老眼は直るらしい。但し、費用は180万円程度掛かる。以降老眼の煩わしさから解放されるのであれば、費用対効果は高いので金額は問題ないのだが、まだ進化の過程であることが気にかかる。数年前からずっとリサーチし続けているけれど、毎年術式などがアップデートされているので、やるなら技術的に熟成するまでもう少し待ちたい。
次に目を付けたのは遠近両用コンタクト。レーシックをする以前は自分もコンタクトレンズを使用していたので、コンタクトの使用自体に抵抗はない。早速福岡の自宅から最寄りのアイシティに予約を入れて遠近両用コンタクトを買ってきた。が、結果は「気持ちわるくて使いたくない」だった。近くは確かに見えるようになったのだが、なぜか遠くが見えづらかった。自分は視力は良いのに、まるで目が悪くなってしまったようだった。度の合わないメガネを掛けて気持ちわるいあの感じだ。
応急措置として、片眼だけにコンタクトを入れてみるといった方法を試してみた。入れてすぐはダメだが、数十分もすると脳が適応してきて、遠くも近くも見えるようになってくる。但し、あまり使いたくない手法なので、外出先で文字を読むことが推定されるときの苦肉の策になった。
次に考えられるのは遠近両用メガネだ。まあコンタクトでダメならメガネ作るかって当然の話である。暫くはフレーム選びになるなぁとか思っていたが、やはりメガネは作りたくないことに気が付いた。理由はサングラス資産が大量にあるから。バイクに乗るとき用、釣りをするとき用、ダイビングに行くとき用、それぞれのシチュエーションに合わせたサングラスを TALEX の偏光レンズなどを用いて作ってあることを思い出したのだ。そしてふとコンタクトの処方箋の数字の意味はなんなんだろう？と気になって調べてみると SPH は近視や遠視の度数で、ADD が老眼を補正するための加入度数だということが分かった。自分は明確に「老眼鏡の代わりに遠近両用コンタクトを使用したい」と告げていたはずなのだが、なぜか度入りのコンタクトを与えられていた訳だ。目が悪くないのに度が入っているコンタクトを使用したら気持ちわるくて当然だ。
という訳で試しに SPHをゼロ、つまり素通しのコンタクトに加入度数だけを加えた SPH0、ADD1.5 のコンタクトをネット通販で買ってみた。なぜネット通販なのかと言えば、目に合わない処方箋しか書けない眼科にもう一度と行く気にはならなかったからだ。ここでまたしても DIY 精神が発揮されてしまうのだった。
数日後、SPH ゼロのコンタクトが届いた。早速装着してみると、遠くがパキーンと見えて近くもキラーンとよく見えた。まるで視力が昔に戻った感じだ。結論から言うと「SPHをゼロ（つまり度無し）の遠近両用コンタクトは老眼鏡の代わりになる」ということ。アイシティで買ってきたコンタクトはとっとと返品することにしよう。
さて、この記事を読んで遠近両用コンタクトを試してみたくなった人へ。
初めてのコンタクトは眼科でコンタクトを装着できる健康な眼であることを確認してもらい、視力検査をして処方箋を作ってもらうべきなのだが、老眼対策としてのコンタクトを購入するだけならば、実は加入度数のみを決めればよい。理由はコンタクトレンズにはSPH（度数）、DIA（レンズの直径）、BC（ベースカーブ）、ADD（加入度数）と4つのパラメーターが有るのだが、大抵のソフトコンタクトレンズではレンズ自体が柔らかくある程度の目玉に適応できるため、DIAとBCは1種類しか用意されていないことが多いからだ。そしてSPHをゼロとするならば、あとは ADD（加入度数）を自身の老眼鏡に合わせて選べば良いだけなのだ。
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