これは多分、険しい峠を越えてきたご褒美だ。
普通に国道なんて走っていたら絶対に辿り着かないし、わざわざ目的地にする様な場所でもない。
だって折角こんな所まで来たって、訓練をしているとは限らない。
偶然でしか見ることのできない光景。
人知れず、こうした地道な訓練が積み重ねられてこその世界最高レベルの自衛隊。
スターウォーズ張りに弾丸の軌跡がオレンジ色に流れる光景は感動モノだった。
一連の射撃訓練が一通り終わり、休憩モードになったとき、エンジンを掛けたら全員が振り返った。
手を振ってゆっくりと走り出すと、たくさんの教官が旗を振ってくれた。
多分、教官じゃない隊員は勝手に手なんて振れないのだろうな。
それでもちょっとにこやかに首だけ回しながら見送ってくれた。
オレたち日本人、という不思議な連帯感を感じつつ走り去る。
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