ずっと使っていた強化型エンジンマウントを純正マウントに戻しました。
一日走ってきましたので、感想を少し書いておきます。
純正に戻した途端、もっと乗り味がマイルドになるものと期待していたのですが、正直、左程の違いは感じられませんでした。ボアアップしたエンジンの発する、ゴツゴツとした振動もそのまま残っているし、シートからの突き上げも減っていないし、ハッキリ言って期待外れです。
以前はもっとハンドルがブルブルと揺れていた様な気がするのですが、あまりハンドルが揺れません。エンジンも大して揺れていない気がします。これは何故?
そういえば、純正エンジンマウントの形状が変わっています。箱を見たら型番が 16207-79D になっていました。
型番の読み方は、最初の5桁が型番。次の2桁は最初の生産年。最後のアルファベットはリビジョンです。意訳すると「型番 16207 は1979年に製造が開始されて、A、B、C、D と4回バージョンアップされてきた」ということになります。
以前のエンジンマウントは、劣化するとグチャグチャに潰れていましたが、新しいマウントはそう簡単には潰れそうにありません。エンジンもハンドルもあまり揺れなくなったことからも、新しい純正エンジンマウントは、自らが強化型に近づきつつあるということでしょう。
しかし、数時間ほど走ると、「あ、やっぱりちょっとマイルドかも」と、思えてきました。
そもそもエンジンマウントを変えようと思った理由は、コーナリングのブレーキングポイントに着いたときに、眼底がビリビリしてコーナーの進入口が良く見えないという事が度々起きたから。
さらに、ボケーっとしていると時に、奥歯がカチカチと当たることもあったりしました。
明確に振動が変わった訳では無いにせよ、不快だった高周波域の振動は、綺麗にフィルタリングされて取り除かれている様な気がします。スピード域や回転数によって生じていた余分なビビりも収まっています。
それにしてもエンジンマウント交換の効果がどうしてこうも限定的なのか、どうして劇的に症状が改善しなかったのか、要するになんですぐに元の状態に戻らなかったのかを走りながら一生懸命考えました。すると、前回エンジンマウントを交換したときに、リアサスも替えていたことを思い出しました。
いつもリアサスは2年毎にオーバーホールに出していましたが、あくまでも自分のリアサスなのでセッティングは変わりません。ところが今回はオーバーホールが出来ずに「交換」になってしまったので、知らないリアサスになっていたのです。
最初にオーリンズを履かせたのが2005年。当時は当然に試走を繰り返してセッティングを出しましたが、それ以来触っていないので、リアサスに調整が必要だったことすら忘れていたのです。
これは再調整して走ってみれば一発で解決するのですが、時すでに遅し。私は明日から沖縄~。
戻ってきたらリアサスを再調整してもう少し走ってみることにします。多分、懸案箇所は全て解決するでしょう。
とりあえず、ここでひとまず総括。
新しい純正エンジンマウントは、構造が変わって体積も増えて、より強化型に近づいたにも関わらず、不快な振動はフィルタリングしてくれる優れものに進化した模様。以前のエンジンマウントなら、社外の強化型を使うメリットは有ったかもしれないが、いまは純正の方が良いかもしれない。
そういえば、社外品の強化型エンジンマウントに交換したレナちゃんから以下の連絡が入っていました。
「振動に伴って、音が、鳴ったり止まったりするんですが、もう、それしか考えられない位な感じです……
しかも、日によって、ほぼ気にならない程度だったり、出発から帰宅までずっと振動のことしか考えられない位不快だったりします」
そんな不快に耐え切れず、純正のエンジンマウントに戻した後の感想は以下の通り。
「エンジンマウントを戻したら、シートからガツガツくる感じが減ってマイルドになったのが数メートル走っただけで分かりました。
口を軽く閉じてると、歯が当たって細かくカチカチカチカチと鳴って、そこに当たってる舌が痺れてくるので、歯を食いしばったり口を開けたりしてましたが、それも無くなりましたww」
そういえば、私も強化型のエンジンマウントを取り付けた日、同じような感想を持って大阪チョッパーズにトンボ返りしていました。あの時はエンジンを前後で固めていたので違う解決法を選びましたが、同様の症状が出ていたことは着目に値します。
結局、体感的なものは個人差、感覚などによって左右されます。ビリビリ言っててもコーナーで安定さえしててくれればなんでもいいやという人から、とにかく快適に乗りたいという人まで。さらに車両の個体差もあります。フロントフォークのオイル粘土、リアサスの種類や強度、交換前エンジンマウントの経たり具合、スタビライザーの有無、フレームのヨレ具合、そして体重や乗り方。
最終的に求められるのはトータルバランスなのですが、自分にとって走りやすいセッティングというは、結局は自分で出すしかないということなのでしょうねぇ。
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