5-2:極上ちゃんぽん

飲んで寝る。
いったい何度これを繰り返しただろうか。
まあいい、これはこれで至極の時間だ。
雨の街から逃げてホテルの布団に潜り込む。
なんたる幸せ。

夕方目を覚ますと外からは爆竹の音が聞こえてきて一気にテンションが上がる。
ホテルの窓から音のする方を見ると、大雨の中、精霊流しが始まっている。
傘を持って外へ出る。そして小銭の有無も確認しないで路面電車に飛び乗る。
実は車内で両替という技を憶えたのだった。

精霊流しの為、今日の路面電車は縮小運転になっている。
だから行ける所まで行って、あとは徒歩だ。
ここで折り返しとなりますー、というアナウンスの駅で降り、とりあえず中華街に向かう事にした。

中華街が見えてくると、街は白煙と爆音に包まれていた。
あちこちで爆竹が投げられている。

長崎中華街へは何度か来たことがあるが、今回はやはり初めての店に訪れることにした。
歩きながら食べログで近所の店を探すとランキング上位店が見つかった。
その店はビルの二階にあった。なんとなく高級感漂う店。
混んでいるかと思ったら、奥のテーブルがタイミングよく空いたのでそこへ収まった。
「えっと、まずは生ビール！」

うまーい！
とろけそうになりながらメニューを見ると、コレ頼んでくださいと言わんばかりの「極上ちゃんぽん」の説明書き。

素直にそれをオーダーし、「あと、つまみで美味しいのありますか？」と訊いてみる。
「水餃子が美味しいです」と返ってきたので、じゃあそれも。

水餃子は絶品！そして極上ちゃんぽんも極上！
どの店に入っても、700円~800円位の普通のちゃんぽんと、千円オーバーの特製ちゃんぽんが置いてある。
店によってどちらを頼むかを変えているが、この店の極上ちゃんぽんを食べてしまうと他店のそれは頼む気にならなくなる。
この極上ちゃんぽん、決して安くはないがコストパフォーマンスは段違いに良い。
生からすみと牡蠣を始めとする具材の入り方を見ると、とても良心的な値段だと思う。

いやぁ、旨かった。
店の外では爆竹の音が一段と大きくなってきている。
食後の一杯を飲み干して外へ出る。

ここまで読んでいただけましたら、最後にポチっと評価をお願いします。
（評価: 5.00 - 2票）

読み込み中...